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多文化共生か、住み分けか [daily diary]

学校ではスウェーデン人と一緒に授業を受けていますが、週に2回「第二外国語としてのスウェーデン語」(Swedish as second language)というスウェーデン語の授業も受けていて、そこには移民としてスウェーデンに住んでいるクラスメイトが7人ほどいます。アジアから来たのは私一人、ハンガリーからきた男の子が一人、あとはアフリカ系の女の子(イスラム教徒)がほとんどです。

みんなと仲良くなろうーと思って意気揚々としていた私ですが、イスラム教徒の女の子たち(イスラム教徒の人がすべてこう、というわけでは決してありません。)となかなか打ち解けられず困っていました。打ち解けられない、というのは挨拶をしても目も合わせてくれなかったり、笑顔で話しかけてもずっと無表情だったり、質問をしても「え?(va?)」と険しい表情で返されたりすることが続いたので、だんだん私もションボリして口数が少なくなり、
「私嫌われてるのかしら・・。」と落ち込み気味に。クラスがある日はなんとなく気持ちが沈むこともしばしば。

「なぜフレンドリーに接してくれないのか・・」とあの手この手で試しても分からないので、(いつも通り)ホストファミリーに相談してみました。するとややビックリする答えが返ってきました。

パパ「スウェーデンにきている移民の中には、自分たちの宗教や文化が一番だと思って、その他のものを受け入
れようとしない人たちもいるんだよ。」
私 「そういう人たちとはどうしたら仲良くなれるの?」
パパ「向こうが仲良くしようとしてこないなら、Miaも無理に仲良くなろうとする必要はないし、フレンドリーに接しよ
うとしなくてもいいんだよ。」

えー、それは多文化共生じゃないんじゃ・・。スウェーデンでは移民に対しての社会サービスも充実していますし、制度は日本と比べるとよく整っていると感じますが、スウェーデン人⇔移民の文化的・精神的交流は、必ずしもあるとは言い切れません。お互いに対するよくない噂(ex.あの地区は移民が多いから、どうこう)もよく耳にします。たしか制度が整っていても人的交流がない状態は、「共生」ではなく「住み分け」だと大学の授業で習いましたが、この状態はまさに住み分けです。

私は自分が日本人だからか(それとも私自身遠慮しがちだからか)、どこか「郷に入っては郷に従え」と思うところがあって、こちらで暮らしていて「日本と違うな」と思ってもチャレンジしたり受け入れようとしたりすることがほとんどなのですが、先述のクラスメイト達は必ずしもスウェーデンのやり方に従うことはなく、自分の文化・価値観をどんどん前面にだしてきます。授業もややカオス状態です。私はそれさえも「これが彼女たちの文化なんだ。受け入れなきゃ、受け入れなきゃ・・」と思って気が張っていましたが、ホストファミリーによると「そんなことはしなくていいよ」「フレンドリーに接すればフレンドリーに返ってくる、と思っている私の(文化)価値観が、どの文化(価値観)にも通用するわけではないから、努力しなくていい」とのことです。 すごく割り切っている・・!

話し合えばきっと世界中の誰とでも分かりあえる・・と思っていた私ですが、そもそも相手が「正しい」「心地よい」「こうありたい」と思っていることが自分のものと違えばいくら話し合っても2つの文化は交わることなく、妥協点を見つけて結局は「住み分け」の状態になるのかな、という気がしてきました。理想的な多文化共生の形とはどういった状態なんだろう。スウェーデンでいろんな経験をしつつ、参与観察的に多文化共生について考えていきたいと思います。


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コメント 2

ma:rta

Miaちゃーーーん

わたしも落ち込みやすい性格で、すぐ相手に嫌われているのではっっっ??と不安になるタイプよ。

移民の子となると、好きでスウェーデンに来ているとは限られないから、生きていく糧として、術として「やらなければいけない」から、他のこと(友情など)は必要としていないのかもね。共生文化はお互いが共に生きようという姿勢がなければ果たされないものだよね。

lycka till!
by ma:rta (2009-10-01 10:17) 

Mia

>Märtaさん

Hej!^^ お元気ですか?お変わりないでしょうか?


共生文化は互いの歩み寄りが必要、まさにその通りですよね!

スウェーデンで生活する移民については勉強不足で背景や状況を詳しくは知らないのですが、たしかに「やらなければいけないからという理由でスウェーデン語を勉強している移民が多い」とホストファミリーも話していました。

私が当たり前だと思っていることや、「相手のため」にと思って好意ですることの中には、私が自文化の中で培ってきたきた価値観がたくさん反映されているんだな・・と改めて気づきました。


「どちらかに歩み寄ろうという気持ちがない場合、多文化共生は本当に必要か?」という究極的な問いにぶつかっていましたが、何もかも理論通りに当てはまるわけではないので、自分の周りの事象をゆっくり観察したいと思います^^


Skönt om dig!!
by Mia (2009-10-02 02:01) 

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